「ぶら下がると、体が前後にゆらゆら揺れてしまう」
「足がぶらぶらして、うまく力が入らない」
懸垂の練習を始めたばかりの人に多いのが、この「体が揺れる」悩みです。揺れたまま練習すると、力が逃げたり、反動で上がってしまったりして、懸垂に必要な力が育ちにくくなります。この記事では、懸垂で体が揺れる原因と、懸垂0回からできる直し方をまとめます。
結論:反りすぎない・足を伸ばす・親指まで握る
体の揺れを抑えるために、わたしがアドバイスしているのは次の3つです。
- 体を反りすぎない:目線は前。上を向きすぎると体が反り、振り子のように揺れやすくなる
- 足は伸ばしてそろえる:膝を曲げて足がぶらぶらすると、その動きが体全体の揺れになる
- サムアラウンドで握る:親指までバーに巻きつけて、握りを安定させる
どれも、懸垂0回の人がデッドハングの段階から意識できることです。
懸垂で体が揺れる主な原因
| 揺れ方 | よくある原因 |
|---|---|
| 体が前後に揺れる | 体が反っている、ぶら下がるときに勢いがついている |
| 足がぶらぶら揺れる | 膝が曲がっている、足がそろっていない |
| 上がるときに揺れる | 反動を使って上がろうとしている |
| 下りるときに揺れる | 力を抜いてドスンと下りている |
| 器具ごと揺れる | 器具の土台が小さい、反動を使う動きをしている |
体がぶら下がった状態は、振り子と同じです。どこか一か所が動くと、その動きが全身に伝わって揺れが続きます。揺れを止めるには、体を一本の棒のようにまとめることがポイントです。
直し方① 体を反りすぎない(目線は前)
懸垂のバーを見上げると、首が反り、それにつられて腰も反りやすくなります。体が弓のように反ると、前後の揺れが大きくなります。
わたしは、懸垂のときの目線は前に向けています。上を向きすぎると体が反るからです。顎を軽く引き、頭から足までを一直線にするイメージで、お腹に軽く力を入れておきます。目線と引き方については、トップホールドの記事でもくわしく紹介しています。
直し方② 足は伸ばして、そろえる
膝を曲げたり、足が開いたりしていると、足がぶらぶら動いて、その動きが体全体に伝わります。足はそろえて、まっすぐ伸ばしておきましょう。
バーが低く、足を伸ばすと床についてしまう場合は、膝を曲げてもかまいません。そのときも、足首をそろえて組み、ぶらぶらさせないようにします。
直し方③ サムアラウンドで握る
親指をバーの下から回して、ほかの指と向かい合わせにする握り方を「サムアラウンド」といいます。このサイトでは、すべての練習でサムアラウンドをすすめています。
握りが不安定だと、手の中でバーがずれたり、体を支える力が抜けたりして、揺れの原因になります。親指まで巻きつけると、握りが安定し、体をまとめやすくなります。握る力そのものが先に切れてしまう人は、握力が続かないときの鍛え方も参考にしてください。握り方の基本は順手と逆手の記事にもまとめています。
練習の段階ごとの揺れの抑え方
デッドハング・足つきぶら下がり
ぶら下がった直後は、少し揺れるのが普通です。揺れが止まってから秒数を数え始めると、毎回同じ条件で測れます。ぶら下がるときは、台からそっと足を離し、勢いをつけないようにします。やり方はデッドハングの記事へ。
トップホールド・ネガティブ
上の姿勢から始める練習では、台から足を離した瞬間に揺れやすくなります。足をそっと離し、揺れが落ち着いてからキープや下降を始めましょう。下りるときは、最後まで力を抜かず、ゆっくり腕を伸ばします。
反動を使わない
揺れを利用して勢いで上がると、懸垂に必要な引く力が育ちません。懸垂0回の時期は、反動を使わずに練習することが大切です。やってはいけないことは懸垂0回の人がやってはいけない7つのことにまとめています。
自分の揺れを確かめる方法
ぶら下がっているときは、自分がどれくらい揺れているかがわかりにくいものです。スマホで横から撮ってみると、揺れ方がよくわかります。
- 横から撮る:前後の揺れと、体の反りが見やすい
- 見るポイント:頭・腰・足首が一直線か、膝が曲がっていないか、足がそろっているか
- 比べる:直す前と後で同じ角度から撮り、揺れが小さくなったかを見る
撮った動画は、PULLUXの記録と一緒に残しておくと、フォームの変化もあとから見返せます。
器具そのものが揺れる場合
体ではなく、懸垂器具そのものが揺れる場合もあります。土台が小さい器具ほど、体の動きで揺れやすくなります。
わたしは懸垂スタンドと鉄棒型の両方を使ってきましたが、今使っている鉄棒型(WASAI BS312-X)は、懸垂スタンドより揺れを感じません。ただし、鉄棒型でも反動を使う動きでは器具が大きく揺れました。器具の揺れを抑えるうえでも、反動を使わないことが大切です。器具の違いは懸垂スタンドと鉄棒型の比較とBS312-Xのレビューで紹介しています。
まとめ
- 体の揺れは、体を一本の棒のようにまとめると抑えやすい
- 目線は前。上を向きすぎると体が反って揺れやすくなる
- 足はそろえて伸ばす。床につく場合は足首を組んで動かさない
- サムアラウンドで握り、握りを安定させる
- 揺れが止まってから秒数を数える。反動は使わない
よくある質問
- Q揺れてしまったら、一度下りたほうがいい?
- A
揺れが小さければ、ぶら下がったまま落ち着くのを待ってからでかまいません。大きく揺れて止まらないときは、一度台に足をついて、揺れを止めてからやり直しましょう。
- Q体が揺れるのは、体幹が弱いから?
- A
体をまっすぐに保つ力は、揺れを抑える要素の一つです。ただ、懸垂0回の時期は、まず姿勢(目線・足・握り)を整えるだけで揺れが小さくなることも多いです。インバーテッド・ロウ(斜め懸垂)は体を一直線に保つ練習にもなるので、斜め懸垂の記事も参考にしてください。
- Q足を前に出す(L字にする)と揺れない?
- A
足を前に出す姿勢は、腹筋などへの負担が大きく、懸垂0回の時期には難しい姿勢です。まずは足をそろえてまっすぐ伸ばす形から始めましょう。



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