懸垂の練習は、バーにぶら下がる「デッドハング」から始まります。でも、「そもそも数秒もぶら下がれない」「手を離してしまいそう」「肩が抜けそうで怖い」という人もいると思います。
この記事は、デッドハングのさらに手前の段階(STEP0)です。足を床につけたまま、体重計で「手にかかる重さ」を数字にして、少しずつ増やしていきます。根性で耐える必要はありません。今の自分に合った重さから始めて、数字で進み具合を確かめながら、足を浮かせてぶら下がれるところまで進みます。
ぶら下がれない4つの理由と、それぞれの対処
ぶら下がれない理由は、人によって違います。自分がどれに当てはまるかを先に確かめておくと、つまずきにくくなります。
- 握る力が足りない:手にかかる重さを少しずつ増やせば、握る力もついてきます。この記事のSTEP0が、そのための練習です
- 手のひらが痛い:握り方で痛みが変わります。手の痛みの記事やパワーグリップの記事を参考にしてください
- 肩が怖い・痛い:いきなり全体重をかけず、軽い重さから慣らします。肩や肘に鋭い痛みがある場合は、ウォーミングアップの記事で危険な痛みの見分け方を確認してください
- 体重が重い:手にかかる重さが大きいほど、ぶら下がるのは難しくなります。体重80kg超の懸垂の記事もあわせて読んでみてください
STEP0のやり方:体重計で「手にかかる重さ」を数字にする
用意するもの
- 足を床につけたまま、腕を伸ばしてバーを握れる高さのバー(低い鉄棒、または懸垂器具の下に台を置く)
- 体重計(いつも使っているもので大丈夫です)
手にかかる重さの求め方
体重計に乗ったままバーを握り、腰を落とすと、体重の一部が手に移ります。そのぶん、体重計の数字が下がります。
手にかかる重さ = 自分の体重 − 体重計の数字
たとえば体重70kgの人が、腰を落として体重計が49kgを指していれば、手には21kg(体重の30%)がかかっています。
やり方
- バーの真下に体重計を置き、その上に立つ
- 肩幅くらいでバーを握る
- 腕をまっすぐ伸ばしたまま、膝を曲げてゆっくり腰を落とす
- 体重計の数字を見ながら、その日の目標の重さになるところで止める
- 決めた秒数そのまま止まり、ゆっくり立ち上がる
体重計の数字は、少し揺れても気にしなくて大丈夫です。だいたいの目安がわかれば十分です。
5つの段階と、次に進む目安
手にかかる重さを、体重の30%から少しずつ増やしていきます。表の「次に進む目安」をクリアしたら、次の段階へ進みます。
| 段階 | 手にかかる重さ | 次に進む目安 |
|---|---|---|
| 0-1 | 体重の約30% | 20秒を2セット |
| 0-2 | 体重の約50% | 20秒を2セット |
| 0-3 | 体重の約70% | 20秒を2セット |
| 0-4 | 体重の約90%(足は軽く触れるだけ) | 10秒を2セット |
| 0-5 | 足を浮かせる(100%) | 5秒ぶら下がれたらSTEP1へ |
体重70kgの人なら、0-1は手に約21kg、0-3は約49kgです。目安はこのサイトで決めたもので、きつければ同じ段階をくり返してかまいません。
続けるための4つの注意点
- 体重計は滑らない床に置く:乗り降りはゆっくり。不安定なら、体重計を使わず感覚で分ける方法(よくある質問)でもかまいません
- 鋭い痛みが出たらすぐやめる:肩や肘、手首の一点がズキッと痛むときは中止してください
- 短い時間なら毎日でもいい:デッドハングより軽い練習なので、毎日続けてもかまいません。手や肩に疲れが残る日は休みましょう。頻度の目安は練習頻度の記事にまとめています。筋肉痛が出たときの考え方は懸垂の筋肉痛の記事で紹介しています
- 記録をつける:日付・段階・秒数をメモしておくと、前より進んでいることが数字で見えます
ぶら下がれるようになったら:STEP1のデッドハングへ
0-5で足を浮かせて5秒ぶら下がれたら、STEP0は完了です。次はSTEP1のデッドハングで、ぶら下がれる時間を少しずつ伸ばしていきます。
その先の流れは、懸垂0回から1回へのロードマップにまとめています。STEP1以降は、PULLUX(懸垂力の測定)で今の力を数字にしながら進めます。
まとめ
- ぶら下がれないのは、恥ずかしいことではない。足をつけた状態から始めればいい
- 手にかかる重さは「体重 − 体重計の数字」で、数字にできる
- 体重の30%→50%→70%→90%→足を浮かせる、の5段階で進める
- 鋭い痛みが出たらやめる。練習は1日おき〜週2〜3回で十分
よくある質問
- Q体重計がない場合は?
- A
足と手にかかる重さを、感覚で分けても大丈夫です。最初は「足7:手3」くらいから始めて、慣れたら「足5:手5」「足3:手7」と手の割合を増やしてください。
- Q低いバーがない場合は?
- A
懸垂器具の下に、安定した台を置いて使えます。家に置ける懸垂器具の違いは懸垂スタンドと鉄棒型の比較記事にまとめています。
- Q何日くらいでぶら下がれるようになる?
- A
人によって違うので、このサイトでは期間ではなく段階で見ています。今どの段階にいて、次の目安まであと何秒か、を確かめながら進めてください。



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